保健師の山内です。
私は、先日乳がん検診の所見の内容について受診者の方からご質問を受けましたので、それをテーマにお話させて頂きます。
<乳房の構造>
乳房は主に、組織を形づくるじん帯と脂肪、それらに守られた乳腺葉、乳頭へつながる乳管の4つの部分でできています。腺房という組織が乳管でつながれてまとまったものが乳腺小葉、乳腺小葉が乳管でつながれて集まったものが乳腺葉です。
<乳がんが発生しやすい場所>
乳がんが発生しやすい場所としては、乳首を中心に乳房を4つに分けると、一番多いのは乳房の外側の上の方(全体の50%)、次いで内側の上(30%)、外側の下(16%)、乳首付近(9%)、内側の下(9%)の順です。
今年度よりマンモグラフィの読影は、医師2名で実施するようになり、乳がん検診の結果は後日郵送させて頂いています。そのため、結果を見て心配になる方もいらっしゃると思いますので、よく見られる所見について説明します。
まず、マンモグラフィでは乳房に腫瘤がないか石灰化などがないか等のチェックをしています。
また、カテゴリー分類をしています。
↓ 多い所見です。
石灰化:カルシウムの沈着などが原因で起こります。良性の線維腺腫や異常のない場合でも生じますが、乳がんでも見られる場合があるため精査が必要になる場合があります。
乳腺症:女性ホルモンの影響でとくに生理前に圧痛や硬結などの症状がでる場合があります。病気ではないためとくに治療は不要ですが、痛みが強い場合は乳腺外科を受診してください。
線維腺腫:良性腫瘍でとくに問題ありませんが、大きくなる場合は摘出することがあります。
局所性非対称性陰影(FAD):乳腺の密度は個人差があり、通常左右差はほとんどないため必ず両方の乳房の画像を比較して調べます。FADは左右の陰影に差が認められる状態で精査が必要です。
乳房腫瘤:腫瘤のかたち、陰影の濃度、石灰化や構築の乱れなどの随伴所見をあわせて判定します。精査が必要になる場合があります。
↓マンモグラフィのカテゴリー分類です。
カテゴリー1:異常ありません。
カテゴリー2:線維腺腫や乳腺症など良性と判断できる所見です。
カテゴリー3:良性の可能性が高いが、悪性も否定できないため、精密検査が必要です。
カテゴリー4:悪性の疑いがあり、精密検査が必要です。
カテゴリー5:悪性の可能性が高く、精密検査が必要です。
精密検査が必要な場合は、外科や乳腺外来を受診して頂くようになります。
皆様も結果が届きましたら、確認して頂き、精密検査などが必要と判定されましたら、ぜひ受てください。
今日は台風が通過していきましたね。通過していった今でも雨が降ったり風が強くすっきりしない天気です。
我が家も少し被害がありました。
庭の花壇のお花が倒れておりました。まだ、花が咲いていないものもあったので、少し残念です。
それでは、また、よい1日を。 山内